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今回は、当サイト管理人が学生時代に受講した講習会でのエピソードをお届けします。
元ABT(アメリカンバレエシアター)のプリンシパルダンサー、Susan Jaffe(スーザン・ジャフィ)さんの講習会を受講した時のことです。
キトリのヴァリエーションを習ったときのこと
講習会では、バーレッスン、センターレッスン、そしてヴァリエーションクラスがありました。
印象的なエピソードは、ヴァリエーションクラスでのことです。
その時に習ったのは『ドン・キホーテ』第3幕のキトリのヴァリエーション。
キトリの結婚式の場面で、扇子をもって踊る華やかな踊りです!
講習会では、1度音に合わせて踊ってみて、そのあと注意を受けるという流れでした。
『つま先が伸びてない』とか
『もっと顔をつけて』とか言われるのかな~
なんて思いながら聞いていると・・・
「扇子はバタバタあおぎ過ぎないで!」
と、踊りではなく扇子の使い方の注意でした。
扇子をあおぐのは”スペシャル”なこと
「扇子をあおぐ動きは、スペシャルなこと、特別なことです。だからやたらとあおがないで!」
その言葉を聞いた時、そういえば『扇子をあおぐ動きの意味は?』なんて考えて踊ったことはなかったな~と気付きました。
- ポーズごとにパッと開いて、パタパタパタ~っとあおぐ振付だから。
- まぁ衣装の一部のようなものかな?!
- キトリ=扇子!
それくらいの意識でした。
人によっていろんな解釈の仕方があるのでしょうが、スーザン・ジャフィさんは扇子をあおぐ動きは “特別なこと” として踊っていたのだと思います。
『プロはそこまで考えて・意識して踊るんだ』ということに、当時はほんとうに衝撃を受けました。
きっと、私は常に扇子をパタパタ、さらには手首をクルクルまわして、華やかさを出したつもりになっていたのかもしれません。
「扇子をあおぐ動きは特別なこと」
そう意識しながら、やたらとあおがず・さりげなく・少しだけ・・・
そうすると踊りが上品に・グッと締まりました。
動きの意味・小道具の意味
随分前の話ですが、いまだに記憶に残っている!ということは、とても印象的な事だったのだと思います。
踊るときは「そういう振付だから」と思わず、自分なりの解釈で動きの意味を考えたり、使用する小道具の意味を考えたり。
改めて考え直してみることで、また違った雰囲気の踊りができるようになるかもしれません!