こんにちは。
Ballet Style(バレエスタイル)です。
バレエ作品ごとにバリエーションを紹介する人気シリーズ。
今回は、バレエ作品『くるみ割り人形』を取り上げます。
と言っても、『くるみ割り人形』にはほとんどバリエーションがありません。
コンクールなどで踊られる女性バリエーションは、「金平糖の精」のバリエーションぐらいです。
ということで今回は特別編として、《くるみ割り人形》1幕から2幕の様々な国の踊りも含めてご紹介していきます。
バレエ《くるみ割り人形》作品紹介
《くるみ割り人形》は、クリスマス・イブの夜を舞台にした物語。
チャイコフスキーの名曲にのせたこの作品は、11月、12月頃になると、世界中のバレエ団で上演されます。
バレエ《くるみ割り人形》あらすじ
※さまざまな演出がありますが一般的なものをご紹介します
第1幕1場
人形使いのドロッセルマイヤーから、変わった“くるみ割り人形”をプレゼントされたクララ。
大切に抱いて一緒に踊っていたところ、兄のフリッツに壊されてしまいます。
悲しんだクララでしたが、ドロッセルマイヤーに修理してもらい一安心。
楽しかったクリスマスパーティーも終わり、お客たちが帰っていきます。
真夜中、クララが大広間へ行くとちょうど12時の鐘が鳴ります。
すると、クリスマスツリーがどんどん巨大化し、ネズミの大群が現れます。
クララが慌てていると、兵隊人形たちが登場してネズミと兵隊の戦いが始まります。
人形たちとねずみたちの戦争に巻き込まれたクララ。
すると目の前に、人間のように動く“くるみ割り人形”があらわれ、ネズミの王様と一騎打ちを始めます。
ネズミの王様にスリッパを投げつけ、“くるみ割り人形”のピンチを救ったクララ。
ふと見ると、“くるみ割り人形”は美しい王子に変身し、助けてくれたお礼にクララをお菓子の国へと誘います。
1幕2場
お菓子の国へと向かう途中、真っ白で幻想的な雪の国を通ります。
キラキラした雪の精たちや、雪の女王が美しく舞います。
2幕
お菓子の国へ着くと、スペインの踊り(チョコレート)、アラビアの踊り(コーヒー)など各国のお菓子の踊りが披露されます。
最後に、王子と金平糖の精が踊り、楽しい時間は過ぎ去り・・・
クララはお菓子の国と王子に別れを告げます。
その時、クララは自分の家のクリスマスツリーの下で目を覚まし、美しい夢を見たことに気づきます。
傍らのくるみ割り人形を愛しそうに抱きしめ、幕が閉じていきます。
《くるみ割り人形》第1幕1場
人形使いのドロッセルマイヤーが持ってきた動く人形(ピエロ・コロンビーヌ・ムーア人形)は、ソリスト級のダンサーによって踊られることが多いパートです。
《くるみ割り人形》ピエロ
《くるみ割り人形》コロンビーヌ
《くるみ割り人形》ムーア人形
《くるみ割り人形》第1幕2場 雪の国
雪の国は、美しく幻想的な世界が広がります。
雪の女王はソリスト級のバレリーナが踊るので、見応えがある場面です。
https://www.youtube.com/watch?v=YZ6wc8H2Cn8
《くるみ割り人形》第2幕 お菓子の国
第2幕のお菓子の国では、いろいろな国の踊りを取り入れたディヴェルティスマンが挿入されています。
- スペインの踊り(チョコレート)
- アラビアの踊り(コーヒー)
- 中国の踊り(お茶)
- ロシアの踊り(トレパック)
- フランス〈葦笛〉の踊り(ミルリトン)
フランス語で、「余興」の意味。
ストーリーとは直接関係なく挿入される踊りですが、物語の主人公を歓迎したりお祝いしたりする場面などでよく踊られます。
さまざまな国の踊りが終わると、最後に金平糖の精が踊ります。
コンクールなどで踊られているのは、この場面に登場する金平糖の精のバリエーションです。
スペインの踊り(チョコレート)
アラビアの踊り(コーヒー)
中国の踊り(お茶)
ロシアの踊り(トレパック)
フランス〈葦笛〉の踊り(ミルリトン)
金平糖の精のバリエーション
《くるみ割り人形》に出てくるいろんな踊り
本記事では、《くるみ割り人形》に出てくる様々な踊りをご紹介いたしました。
《くるみ割り人形》は演技をする場面が多い作品で、あまりソロの踊りは出てきません。
しかし、物語性が強く、魅力的なキャラクターばかりが登場するので観ていて楽しくなる作品です。
《くるみ割り人形》の世界をより深く理解することができると思いますよ。